天然ガス自動車
次世代の車は電気自動車か、技術の進歩があれば燃料電池車だと思っていたが、
シェールガス革命の影響で、もしかすると天然ガス自動車が一般化するかも。
天然ガスの埋蔵量は莫大らしいし、産出地が多数あるので、
エネルギー安定性も悪くなさそうだ。
天然ガス自動車は、普通のガソリン車と同じ原理で作動する。
また、バイフューエル仕様にすればガソリン車として切り替えも可能。
ガソリン用のインジェクターと同じく、低圧コモンレールを通じて間欠的にガスを噴射する。
ガソリンと違う点は、
・高圧ガス(160-200bar)もしくは液化ガス(LPG:-160℃)として充填する。そのため容器に安全対策が必要
・燃料をガスとして導入できるので混合気の形成が容易
・アンチノック性に優れる(RON 120)ため、高圧縮比が可能
・燃料消費量が重量あたり25%増加する(エネルギー密度が低いため)
・出力がガソリン車に比べ10-15%低い(理論空燃比が17.2:1と完全燃焼に必要な燃料量が少なく、かつ燃料が霧化ではなくガスとして導入されるため体積効率が低い)
効率アップや環境面では、
・ターボチャージャにより効率が改善
・排気量を小さくするとスロットルを絞る必要がなくなり、摩擦損失が減少し効率が改善
・混合気を希薄化し空気を過剰にすることで効率が改善(最高で空気過剰系数1.7)
・ガソリンやディーゼルに比べ有害排出ガスがはるかに少ない
・燃料に鉛や硫黄の化合物を含まず、燃焼反応も良好なため、3元触媒の量をかなり少なくできる
・天然ガスはメタン(CH4)が主成分で、燃焼後の水の割合が多く、結果的にCO2の排出が少ない。
こうしてみると、石油の価格が高くなればなるほど有望に思える。
一番の課題は燃料貯蔵の安全性と供給ルートの開拓になりそうだ。
LPG(liquefied petroleum gas):液化石油ガス
CNG(compressed natural gas):高圧天然ガス